「フーガはユーガ」(伊坂幸太郎・著)を読んで

伊坂幸太郎さんの小説「フーガはユーガ」を読みました。

久々に伊坂さんの作品を読みましたが、毒がありながらも軽快さや爽快感があってくせになりそうです。

物語は、主人公の一人である常盤優我が、仙台にあるファミレスでテレビ制作会社の男性に自分の生い立ちを語る形式で進んでいきます。優我には双子の弟である風我がいて、厳しい家庭環境の中で助け合って生きてきたこと、一年に一度の誕生日には瞬間移動で二人が入れ替わることなどを話すのですが、どこまでが嘘なのかが読者にはわからず、気になってページをめくる手が止められなくなるのが心憎いです。

二人の父親のひどい言動や、風我の恋人である小玉がさらにひどい境遇におかれていることなどは、途中読むのがつらくなるほどでした。終盤で風我が亡くなったと思わせておいて、実は生きていた!というのが唯一の救いに思えました。ハッピーエンドというわけではないですが、あっと驚くラストの伏線の回収は見事です。できれば優我にももっと幸せになってほしかったですが、風我の娘たちに小さな希望を見い出せてよかったです。脱毛 口ひげ